眠らない島

短歌とあそぶ

2017-11-01から1ヶ月間の記事一覧

近代短歌を読む会 第12回 斎藤茂吉 『あらたま』

ものの行きとどまらめやも山峡の杉のたいぼく寒さのひびき 今回は第二歌集『あらたま』を読んだ。大正2年『赤光』を出して歌壇を越えた圧倒的な評価を得た茂吉はその後、力強く自分の歌風を確立する。 斎藤茂吉といえば、山形の風土、自然と密接なつながり…

近代短歌を読む会 第11回 斎藤茂吉『赤光』

にんげんの赤子 ( あかご )を負 ( お )へる子守居りこの子守はも笑はざりけり 「赤光」が発行されたのは大正二年。このころ歌壇のなかで斎藤茂吉の名前はすでにかなり知名度があったようだ。第一歌集を出すにあたって、茂吉は焦らず、環境が十分に熟するのを…

田丸まひる 『ピース降る』読書会報告 2

会場発言 1 ・今の自分から読むと懐かしい感じがする。 30代女性の焦燥感があふれている。 どう生きるのか、どう選択するのかという葛藤がある。 恋人から「君」、あなた」に変遷してゆくなかで、愛に届いてゆく。 ・自分は何をやっているのかという切実…

田丸まひる『ピース降る』読書会報告 1

11月11日(土)に行われた、田丸まひる『ピース降る』、岩尾淳子『岸』合同読書会の報告をします。 ここでは『ピース降る』についての記録です。 レポーター 1 〈はじめに〉 「ピース降る」というライブアルバム それぞれの生活や環境の中で「ピース降る…

岩尾淳子 第二歌集『岸』読書会 報告2

会場発言 1 ・第一歌集と比べて 口語縛りがなくなった。茫洋としたところがなくなった。日常詠、職場詠、 先生への挽歌などリアリズムの歌が入った。 皮膚がんに頬うしないし須之内さんに大切な頬もどりますよう ・人を分かつ生と死に触れる。読み解けない…

岩尾淳子 第二歌集『岸』読書会 報告1

11月11日(土)に、田丸まひる『ピース降る』・岩尾淳子『岸』合同読書会を行いました。ここでは、『岸』読書会の報告をいたします。 レポーターからの報告 〇レポーター 1 〈はじめに〉 『岸』を読む現在とは、時代性もあって、表現についてそれぞれの…