眠らない島

短歌とあそぶ

2012-03-01から1ヶ月間の記事一覧

歌集「眠らない島」 レポートその3

帯文の案がとどきました。 色は紫に決めました。 表紙絵と雰囲気があっていて、引き締めてくれます。 文章は、加藤治郎先生に書いていただいた跋文からの引用です。 加藤治郎先生の跋文は、とてもわかりやすくて丁寧な解説です。 たくさん、歌を引用してくだ…

歌集「眠らない島」 レポートその2

用紙の見本が届きました。 紙の模様や色のひとつひとつに美しい名前が付いています。 「さざなみ」「せいじ」「さくら」このあたりは親しみ安い感じ。 「わまわなぐさ」というのはどんな草?なのでしょうか。 はじめてきく不思議な名前にひかれます。 見本を…

歌集「眠らない島」 レポートその1

第一歌集「眠らない島」の表紙絵ができあがりました。 切り絵作家の中西啓子さんに作っていただきました。 色遣いには、和紙を使った柔らかい色合いです。 静かな雰囲気が気に入っています。

未来 3月号

いただきの椅子 いただきに置かれていった椅子は白い棺のように運ばれてきた 月蝕のおわったあとのはなやぎにローズマリーはつやめいている 北窓に雲をながめている猫のうしろをときおりあなたが過ぎる オムレツをひかりのように裏返すここは空ではないので…

未来2月号

鎮めるちから ここだった 歌を集めている本の日の暮れ方のあかい湿原 若い雲が毛羽立ちながら動くとき深いところの雲にゆく鳥 あかつきの闇のむこうをしわぶいて男がとおりすぎるまでの間 半欠けの月へと汚れた黄の花をアワダチソウは持ち上げている ピクル…

未来  1月号

リコリスの茎 中秋の月はほどよくはぐらかす待たれていながら青のかたまり ささがきの牛蒡をさらす秋のみず つるんとあなたが毀れてしまう 月あかりにサンダル履きでさやさやとキャットフードを提げてくるのね リコリスのまっすぐな茎つめたくてあなたがきら…

宮廷歌人 武者小路実陰のうた

近世宮廷歌人 武者小路実陰のうた 岩尾淳子 明治二六年の淺香社に始まって、和歌革新運動はそれまでの旧派の和歌を徹底的に批判するなかで近代短歌を立ち上げてきた。明治三〇年代は『明星』に代表される新派の時代のようだが、実際には明治四〇年頃まで、堂…