眠らない島

短歌とあそぶ

2016-05-01から1ヶ月間の記事一覧

米田律子 第六歌集 『木のあれば』

束ぬるに余る野の花著莪を賜ぶ七日八日に咲きつぐほどを 「未来」のベテラン歌人、米田律子の歌を読んでいると、しずかに流れる時の香りが立ち上がってくるように感じる。些細な日々の出来事を掛け替えのないものとして惜しみつつ懐深くに受け入れる。その澄…

玉川裕子  『赤いレトロな焙煎機』

赤土の遙かなる道バスがゆくパンタナールの風わたるなか 玉川裕子は『未来』歌友である。短歌を詠む玉川は、同時に珈琲を心から愛してやまない愛好家であった。その珈琲への愛が玉川裕子を単身ブラジルへ渡し、そして堂々としたプロのコーヒー鑑定士にして…