眠らない島

短歌とあそぶ

2019-10-01から1ヶ月間の記事一覧

近藤かすみ 第二歌集 『花折断層』

むかしより加茂大橋のほとりには廃園ありてひぐらしが啼く 近藤かすみの第二歌集『花折断層』の世界は言葉の熱量がほどよく適温であり、心地よく読むものの感情に寄り添ってくる。過剰さが削がれ、押しつけがましい主張やこれみよがしの修辞、あるいは美意識…

尾崎まゆみ 『レダの靴を履いて』

「レダの靴を履いて」は2010年7月から、2012年6月までほぼ2年間をかけて筆者がブログに綴った塚本邦雄の歌についての鑑賞である。ひとつひとつのコラムにはみずみずしく季節が流れ、筆者の暮らしの時間や空間がほんのりと香っている。なんともゆ…