眠らない島

短歌とあそぶ

2017-10-01から1ヶ月間の記事一覧

岡崎裕美子  第二歌集 『わたくしが樹木であれば』

もう風の方向なども見ないまま吹かれっぱなしの砂浜に立つ 生きる場所とはいったいどこにあるのだろう。それはどのように生きるとかではなくて、生まな命のありかのようなもの。そういう場所があるとすれば、どんな瞬間に成立するのか。 この歌集を読みなが…

山本夏子 第一歌集 『空を鳴らして』

前をゆく豆腐屋さんの荷台からこぼれて落ちる滴のひかり 歌を詠むとき、私たちはどのようにして言葉を始めるているのだろう。歌のはじまるとき、どんな構えをしているのか。山本夏子『空を鳴らして』を読み終わって、これでよかったのかと不安な気持ちになっ…