眠らない島

短歌とあそぶ

2014-09-01から1ヶ月間の記事一覧

田丸まひる  第二歌集 『硝子のボレット』

田丸まひるさんは未來短歌会に入会してたった一年で未來賞を掠ってしまった。田丸さんの登場は、『未來』にとって衝撃的な出来事だったように思う。同じ加藤治郎選歌欄に籍を置いていたこともあり、掲載される歌は毎月読んできた。定型に収まりきれない言葉…

『鱧と水仙』43号 鱧

『鱧と水仙』第43号を読んだ。 巻頭三十首の近藤かすみ「タルトを崩す」は心地の良い一連であった。三十首のなかに、自身が生きてきた家族とのながい時間を詠み込んでいる。内容からすればかなり重い情感を誘い出すはずなのに、近藤の力を抜いた文体が家…

守中章子  第一歌集 『一花衣』

守中章子さんは2013年度未來年間賞を受賞された実力派の歌人である。巻末には手厚い岡井隆先生の批評文が収録されており、この歌集の完成度の高さを知ることができる。内容については岡井先生の精緻な文章に言い尽くされているので、これから書くことは…