眠らない島

短歌とあそぶ

2014-12-01から1ヶ月間の記事一覧

浅羽佐和子  第一歌集 『いつも空をみて』

浅羽佐和子は『未來』加藤治郎選歌欄での仲間である。2009年に未來年間賞に輝き、独自な現実主義的な歌風は「未來」の本流かとも思える。その言葉は、やわらかい口語体でありながら、自身の生な現実の細部に密着するような強さとしなやかさを備え、現代…

『穀物』 創刊号

先週の日曜日、待望の『穀物』創刊号が手に入った。それから毎日、鞄に入れて通勤したのでかなり表紙がいたんでしまった。シンプルな板壁の写真のセンスがいい。 中身はもちろん期待したとおりの作品がぎっしり入っている。個性の違う八人の作者の20首連…

大森静佳 『河野裕子の歌鏡』(二)

「梁」87号に掲載されている大森静佳の河野裕子論が注目されている。とくに今回は『ひるがお』『桜森』という河野裕子の骨格が形成された歌集への論考であり、貴重な資料になっている。大森は、この二歌集を支える河野裕子の主題形成の過程を、時代背景を…