眠らない島

短歌とあそぶ

2014-08-01から1ヶ月間の記事一覧

平井軍治 第二歌集 『平井軍治歌集 』

凄まじき羽音のこして刈田より飛び発ちて闇濃くする土鳩 除雪車の回転灯がオレンジの明かりを投げて玻璃窓よぎる 「平井軍治歌集」を読んだ。平井さんの第二歌集であり、2006年から2013年までの作品を収めている。平井軍治さんは青森市に在住されて…

野村詩賀子 第三歌集 『地蔵堂まで』

わたくしは水 きょうの水 近づけば近づくほどに夏の逃げ水 野村詩賀子第三歌集「地蔵堂まで」を読んだ。歌集のなかには母を看取り、さらに愛娘を失うという過酷な体験をする一〇年あまりの時間が流れている。家族の死はきわめて個別的な体験でありながら、…