眠らない島

短歌とあそぶ

2016-04-01から1ヶ月間の記事一覧

『モンキートレインに乗って72』

「昭和十九年の会」の存在は知ってはいたが、どのような活動をしているのか全く無知だった。このたび、『昭和十九年の会アンソロジー モンキートレインに乗って72』が上梓された。大島史洋のあとがきによれば、昭和十九年の会は、昭和十九年生まれの歌人の…

生田よしえ 第二歌集『ふたたびの円』

生田よしえは1939年生まれ。1987年に結社『水甕』に入社している。兵庫県を代表する歌人である。 生田よしえ『ふたたびの円』を再読した。あとがきをみると第一歌集から十八年ぶりの第二歌集ということだ。およそ二十年の歳月がこの一冊に封じられて…

『京大短歌22号』

京大短歌22号を読んだ。今回、「京都歌枕マップ」という企画を注目して読んだ。鴨川から始まって、同志社大学、寺町通り、出町柳、京都駅など、いわゆる名所ばかりでなく、京都で学生生活をおくる若者達にとってなじみの深い地名が歌と一体になって紹介され…

大森静佳 『河野裕子の歌鏡(五)』

大森静佳が「梁」に連載している『河野裕子の歌鏡』が第五回になり、いよいよ佳境に入ってきた感がある。前回の評論あたりから、初期のやや観念が先に立つ歌風からしだいに口語を取り入れつつ、平易な歌風へと移行するその軌跡を追ってきた。同時にものの内…