眠らない島

短歌とあそぶ

2015-05-01から1ヶ月間の記事一覧

真中朋久  第五歌集『火光』

地下のつとめ地上のつとめこのさきも引き裂かれつつ生きてゆくべし 真中朋久の第五歌集「火光」を読んだ。読めば読むほどに、思考の森深くに誘い込まれ、その深い精神世界に圧倒された。あげるべき秀歌はいくらでもある。しかし、ここではかなりかたよった…

塩野淑子  『合歓街道』

乳いろの湖霧(うみぎり)かぜに流れゆき岸の枯れ葦ぬれて撓めり 塩野淑子さんは未來短歌会、桜井登世子選歌欄に所属されている。後書きを読むと、1993年に夫君を亡くされ、それをきっかけに短歌を始められたという。歌作を始めてから、20年近い歳月の…

ますいさち 第一歌集 『風船蔓』

春の光揉みこむようにゆれゆれて庭の白梅発光したり 「風船蔓」の作者ますいさちは、未來短歌会に所属し、道浦母都子選歌欄の会員である。歌集を読み、この作者の資質と師である道浦母都子と通じるものを感じた。それは人生に対する前向きのエネルギーである…

小谷博泰 『短歌つれづれホームページ』

小谷博泰さんの『短歌つれづれホームページ』を読んだ。これまで、小谷さんのホームページはちらちらと覗いてきた。小谷さんが所属する結社『白珠』が掲げる「知的抒情」という理念に魅力を感じて、方々あたっているうちにこのホームページにたどり着いた。…