眠らない島

短歌とあそぶ

2015-07-01から1ヶ月間の記事一覧

佐藤弓生  第四歌集  『モーブ色のあめふる』

はじめての駅なつかしい夏の午後きいたことのない賛美歌に似て 佐藤弓生さんの歌集をなんども開いてしまう。今回の『モーブ色のあめふる』は第四歌集ということで、これで佐藤さんの歌集を四冊いつでも手にとって読むことができるようになった。佐藤さんの…

中家菜津子 第一歌集 『うずく、まる』

一本のひかりの道に手をのばすさっき真冬の葱をつかんだ 中家菜津子は「未来」の加藤治郎選歌欄の仲間である。短歌だけではなく、現代詩の領域でも活躍している才気あふれるこの新人をまぶしく眺めてきた。新鮮な発想の歌に目を奪われることが多かったが、今…

中津昌子  第五歌集『むかれなかった林檎のために』

萩だろうようやく暮れ来し水に乗りすこし明るみながらゆくのは 中津昌子 第五歌集『むかれなかった林檎のために』を読んだ。この歌集からふたたび仮名遣いを現代仮名遣いにもどしたという。そのためか、歌集全体に言葉の清潔感が流れているように思える。 水…