眠らない島

短歌とあそぶ

2018-12-01から1ヶ月間の記事一覧

飯田彩乃  『リヴァーサイド』

ここにゐないひとの上着の両腕が椅子の後ろに結ばれている この歌を「未来」で読んだとき立ち止まって素通りできなかった。オフィスではよく上着をこうして袖を椅子に括りつけて収めている人がいる。この歌では上着の袖と云わないで「両腕」ということで、上…

「パンの耳」1号

松村正直さんが西宮で開いている歌会の冊子がとどいた。「パンの耳」1号。14名のメンバー、それぞれの表現の多様さにおもわず引き込まれ、読んでしまった。15首の連作の中から、おひとり一首ずつ紹介します。 添田尚子 鉄瓶のお湯がふきこぼれるほどの…

ベラン3号

「ベラン3号」が届いた。開けば掌に翼をひろげた小鳥ほどのサイズ。30分もあれば読み切れる。 このところ短歌がなんだか重くて、少し離れていたいなんて思っていたから、「ベラン」は実にありがたい。言葉の軽い翼で20メートルほど飛翔させてくれる。そ…