眠らない島

短歌とあそぶ

#詩

未来9月号

線量の増えゆく空を鳥たちは朝をよろこび鳴いたであろう あの日より前にも雪は舞いおちて海に戻ってゆけばよかった 舟人はいくども目覚めているにしろ昨日の唄がまだおわらない ああ昔、夜空に舟が燃え上がり、それは、と人は語るのだろう 橋は架け直され岸…

未来7月号

鳥たちがようやく騒ぎ始めてもあなたはいつも眠らない島 防波堤に足を垂らしてわたしたち引き返せないのを幸いとして 分け合えるものなど何処にもないのだろう鳥の滑ってゆく春のみず 目を閉じて罅のきれいな水面を呼び出しながら呑むこなぐすり 吊り橋に日…