眠らない島

短歌とあそぶ

2015-08-04から1日間の記事一覧

岩尾淳子  『いちどだけ生まれた』

ここで自分の本の紹介をするのは久しぶりで少々照れくさい。 私の父は今年八十六歳。七十年前は十六歳であった。昭和二十年、既に戦局は絶望的であったにもかかわらず、無謀にも少年志願兵として自らすすんで入隊している。そのころのことについて、父はほと…

春野りりん 第一歌集 『ここからが空』

ふくびくうを花野としつつ朝の気は身のうちふかくふかくめぐりぬ 春野りりん第一歌集『ここからが空』は、からだの全ての筋が解きほぐされて浮かび上がるような心地良さに満ちている。自己の存在を、自意識の枠から解き放ち自然や地球さらには宇宙まで包含…