眠らない島

短歌とあそぶ

批評会報告2

○ パネリストからのレポート
 
   大辻隆弘
 
1 モノと私との関係ではなく二つのモノ(AとB)の関係性を表現している。
 
   島と島、自転車と自転車を照応・呼応させる
   二つのモノの境界線がゆらぐ感じ、微妙な感じを表現
   AとBが触れるときの外界の姿
   AとBが分断するときの外界
 
2 「ほそながい」の多用
  長いスパンでものごとを感じ取ろうとする
  時空の感じ方のひとつの表現
  時間的な長さを示している
 
3 私性がないことを批判してもしかたがない。それは承知のうえで歌われている。
 
4 口語の必然性が感じられない。
  口語にすることで印象が弱くなっている。
  どうして口語の平板さを選んだのか?
 
 5 近代短歌は今一瞬をうたうことに価値を見出してきたが、
  この歌集はそこから外れているところが面白く、オリジナリティーがある